【束(たば.つか)】

「束」は確かに、短い垂直材には違いないのだが、床や小屋組の荷重を一手に支える部材ではある。それにしても……。【垂木・野地「満ち足りた機能と役割を担う垂木」】私がまだサラリーマンだった頃、わが妻は〃出るぞ梁、頼むぞ垂木、立て柱、何事あれば止めぞ棟の木“と手のひらにそれぞれの部材をなぞって、出がけにおまじないをかけてくれた。これで災いに遭遇しないのだと言う。その思いやりが嬉しいし、こうした行為によって、建物を構成する部材の位置と役割を理解できるのだから、どこの家庭でもご主人を送り出す時、地域によって、文言は異なるようだが、このおまじないを実行して欲しいものである。【垂木(たるき)】棟木が立ち上がり、いよいよ屋根を葺く段階になると、まず棟木から軒へと渡し込む角材を打ち付ける。これが「垂木」だ。垂木を打ち付けると、いよいよ屋根を葺くための下地づくりだ。物置程度なら、垂木に直接トタンなどを打ち付けてもいいだろうが、一般的にはまず野地板を張り、屋根材を葺くことになる。「垂木」と表記したが、「橡」という漢字で表記したりする。「橡」で表す「垂木」は角材ではなく、丸い垂木だ。いずれにしても棟木から軒に向かって垂らすから「垂木」だ。それにしても、棟から軒へと渡す材を「垂れる」「垂らす」と見る感性はスゴイ。

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